消防点検をし、もし不備が見つかったらどうすれば良いのでしょうか?
点検を実施してくれた消防点検業者に改修を頼めばよいのでは?と思うかもしれませんが、実際は点検のみで改修は行っていない(もしくは他社に依頼している)業者さんも存在します。
実はこの”改修工事ができるかどうか”という点、消防点検業者を選ぶ上で結構重要です!
今回は、その理由や見極め方について紹介していきます。
改修工事もできるかどうかの判断は?
コラム「消防点検を実施するのに必要な資格」でも紹介しましたが、改修工事をするには、点検+αの資格が必要になります。
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消防点検を実施するのに必要な資格
消防点検を実施するためには、どのような資格が必要なのでしょうか? 調べてみると、想像以上に種類があり、それぞれの資格によって点検できる設備も分かれていることが分かりました。 ここでは、代 ...
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消防点検のみであれば、「乙種消防設備士」もしくは「消防設備点検資格者」という資格が必要です。
一方、改修工事というのは、消防用設備の”工事”ということになるため、「甲種消防設備士」の資格がなければ実施できません。
そのため、会社のホームページ等で確認する時は、所有資格の記載があれば「甲種消防設備士」の文言が入っているかどうかや、
「消防用設備の設計・施工」等と記載しているかどうかを確認しましょう。
なお、もしお手元に今までの ”消防設備等点検報告書” がある場合は、点検者一覧の資格情報を確認してみるのも良いでしょう。
下のような様式で、交付年月日や交付番号等の記載がある場合は、資格を保有しているということになります。
もし甲種の記載がない場合は、その消防点検業者さんは点検のみしか実施していない、もしくは改修工事は他の下請業者に依頼している可能性があります。
改修工事ってどんなことをするの?
改修と言っても、小さな改修から大掛かりな工事まで様々です。
私が経験したり、話を聞いた改修内容の一部をご紹介したいと思います。
- 誘導灯のランプ、バッテリー切れによる交換
- 器具不良による誘導灯本体の交換
- 自動火災報知設備の感知器 不作動による交換
- 自動火災報知設備の感知器 未警戒区域解消のため増設
- 避難器具 型式失効(※)による交換 etc...
※型式失効・・・国の認定品ではなくなり消防用設備としての設置が認められなくなること
他にも数えきれないほど、改修が必要な事象は発生します。
上の例で言うと、誘導灯のランプの交換等は、器具を開けて中の管球を取り替えるだけなので、比較的短時間ですぐに終わります。
それに対し、感知器の増設などは、天井裏から配線を通すなどの大掛かりな工事が必要になります。
改修が必要な箇所については、点検報告書内に記載されます。
せっかく不備がわかっても、改修をしないままほったらかしにしてしまうオーナーや管理者の方もいるようです。
改修の費用見積を出してくれる業者さんも多いので、もし不備を指摘された場合は、いざという時のために速やかに改修を実施しましょう。
なぜ改修工事ができる消防点検業者がいいの?
コラム「消防点検業者を選ぶコツ」でも紹介しましたが、もし不良箇所が見つかった場合、消防点検を実施した業者さんに改修を頼むことができれば、不良内容や状況を把握しているため、対応がスムーズです。
他の業者さんを探したり、調査費などの余計な時間や費用も発生しません。
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消防点検業者を選ぶコツ
消防点検を実施しなければならないのは分かっているけど、どこに頼めば良いのか分からない・・・というオーナーや管理者の方も多いと思います。 そこで今回は、私が実際に色々な点検業者さんを見て経験したこと等を ...
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点検から改修工事まで、一貫して実施してくれる点検業者さんだと、消防用設備の管理も煩雑にならずに費用も抑えることができるでしょう。
まとめ
- 改修工事ができるかどうかは、「甲種消防設備士」の資格を持っているかどうかで見極める
- 改修工事の内容には、簡単な交換や、配線などが必要な大掛かりな工事まで様々ある
- 改修が必要と判明した場合は、速やかに改修を実施しなければならない
- 手間や費用を抑えるためにも、改修工事ができる消防点検業者を選ぶと良い